誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

籠り物語

掃除の時だけチカさんか康之さんが鍵を開ける事になっている。

 

ペンションの空かずの扉とあって、卓は少年のように胸を踊らせながら、だが表情には出すことなくチカさんが鍵を開けるのを見守った。

 

南京錠が外れゆっくりと開けられた扉、卓の気持ちをもてあそんだその空間、卓は現実に戻った。

 

束ねられた洋シーツ、ピローカバー、下の段には掃除機。
そこには卓の描いた妄想は何一つ存在しなかった。

 

下の段の掃除機の横には、厨房のすぐ側にある自販機に補充する缶ジュースがケースで並べられていた。
卓は鍵の意味をこの時納得した。

 

ジュースに気がついた卓を見て
「うち2月から大学の合宿で学生が来るねんけど、酔っぱらった学生にジュースやられた事あってなぁ、シーツとかも勝手に使われてゲロまみれになったり悲惨やった事があって…」
その時の事を思い出したのか、ため息混じりに教えてくれた。
「それで鍵がついてるんですね」
「それも名門大学な、びっくりやわ」


それは誰もが知る名門中の名門大学だった事に卓は驚いた。それとともに、これから大学生になる卓は複雑な気分になった。

学歴は全てではないのだという事もこの時悟った。

 

「今日はシーツも掃除道具も先に出しといたけど、毎回ここから出すことになるから覚えといて」
チカさんはそう言いながら掃除機を出した。

 

卓は補充用のトイレットペーパーを空かずの扉から取り出し各部屋の補充に向かった。