誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

籠り物語

チカさんは謎の驚きの声をあげたと思ったら、扉を閉めて
「やっちゃ~ん!」
と叫びながら厨房へと走って行ってしまった。

 

卓は何が起こったのかわからず、何かまずい事をしたのかと、チカさんが戻る迄掃除の手を止めて待つ事にした。
掃除初日から何を言われるのか、気持ちよく掃除をしていた卓の気持ちは勝手に青く染まっていった。

「ガチャ」
扉を開けたのは康之さんだった。
その後ろにニヤニヤしたちかさんの顔が見える。

「立ってるやんけ!なんやったら手止まってるやん」
康之さんがチカさんの方を振り返りながら聞いた。
「ちゃうねんって!なぁ卓、あんたさっきトイレの床手ついて拭き掃除してたやんなぁ?」
卓は答えに戸惑った。そんなにいけない事なのか?食べ物を扱うとは言え、勿論しっかり手を洗いアルコール消毒までしてから仕事しているはずだと。
卓は瞬時に脳を高速回転させたが、素直に
「そんなにダメでしたか…?」
落ち込んだ様子の卓に、チカさんが慌てて
「ちゃうちゃう、ごめんごめん、感動してびっくりして嬉しくて」
だからって声だけあげて走り去っていかれたこっちの身にもなって欲しい物だと卓は思った。

 

「トイレ掃除で床に手も膝もつけて拭き掃除してる子なんてこのペンション初めてから見た事無かったから」
「あぁ、そういう事ですか。というかそれだけですか?」
卓はすでに落ち着いていた。むしろこんな時も覚めていた。
「だってトイレの床やで、汚いとか嫌とか思わへんの?」
チカさんはまだ驚いた様に卓に聞き返す。
「だって自分が掃除してるんですから、綺麗にしてるし、それで汚いって避けてたら意味ないでしょ」
康之さんはその答えを聞いて
「ふん、今年は大当たりやな、素晴らしい」
そう言い残し厨房へと戻った。

 

驚きついでにチカさんはトイレを見渡し、さらに驚く。
「シルバー系の掃除もう終わらせたん?」
「はい、しましたよ。トイレットペーパー少ないやつ新品に交換したので、中途半端な余りのやつで拭きあげました。これが一番綺麗になるので」

 

チカさんは戻ってきて、正に今、卓が説明した通りの事を教えるつもりだったらしく呆気に取られていた。

当然の様にトイレットペーパーは三角に折り畳まれ、何も指摘できる事が無い程完璧だったのだ。

「あんた最高やん」
そう言いながら肩を叩く。
スキンシップのつもりなのだろうが、威力はスキンシップのそれとは思えない程強力だった。
「それもはや暴力ですよ」
卓はチカさんに笑いながら言った。